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時が流れて2013年。20年ぶりに観察した今回の第10回会議に関して、インドネシア語をめぐる参加者の語りは大きく様変わりしていた。キーワードは「インドネシア語の国際化」である。28日の開会式でムハンマド・ヌー教育文化大臣は「インドネシア語を国際語にしたい」と述べ、内外のインドネシア語教育を強化することを誓った。
閉幕時に決議された33項目の勧告には、以下のようなインドネシア語の海外普及に関するものが含まれている。
・インドネシア語を国際化するための総合的な外交の必要性
・海外のインドネシア語教育・研究機関に対する物心両面からの支援
・外国人向けインドネシア語教育のためのカリキュラム、教材開発
・外国人向けインドネシア語教育教員の認証を担当する政府部局の強化
今回の会議で発表された幾つかの論文要旨を見てみよう。
「経済を中心に各分野でのインドネシアの発展ゆえに、インドネシア語は国際社会で学ばれる潜在性を持つ言語となっている。とりわけ人の連結によって、2015年にはより強固に統合される予定のアセアン共同体において、インドネシア統合に大きな役割を果たしたインドネシア語は、アセアン共同体を一つに結ぶアセアン言語の母胎となる可能性を有している。」
(アーマッド・ズルフィカル ジョクジャカルタ・ムハマディア大学)
「インドネシア語は東南アジア最大の言語である。東南アジアでは、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、フィリピン、タイ、東ティモールにインドネシア語話者が存在する。さらに独立以来、東南アジア以外の世界各地でインドネシア語学習、研究が拡がっている。政府はインドネシア語を世界語となるよう普及を進めるべきである。なぜなら、インドネシア語の海外普及はインドネシアの対外ソフトパワーを増進すると同時に、世界におけるインドネシア民族の地位向上に貢献するからである。」
(ムザッカ・ムシャイフ ディアポネゴロ大学インドネシア語プログラム長)
近年、インドネシアが力強い経済発展により新興国として国際的影響力を強めつつあることを背景とした、自信満ちた提言が並ぶ。