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「人物からたどる近代日中関係史」(図書刊行会)は日中文化交流を展開する一般財団法人「霞山会」の創立70周年記念事業として刊行されたものである。本NPOの池田理事長は同霞山会の理事長も兼任しており、霞山会は昨年創立70周年を迎えたが、それを記念して開催されたシンポジウムでの報告と成果を基盤に編集された。
本書の著作には中国研究の専門家の大学教授など10人以上が参加しており、明治から昭和の戦前までの日中関係の歴史で重要な足跡を残した人物、近衛篤麿・文麿親子(霞山会の前身東亜同文会の創設者)や第一次世界大戦にからむ対華21か条要求の強硬外交で知られる加藤高明外相、中国近代文学の開祖とされ、日本留学経験のある魯迅などが取り上げられている。また、日本植民地時代の台湾との関係で、近代台湾農業の礎を築いた藤根吉春も紹介され、豊富な資料を駆使し、極めて学術的価値の高い内容となっている。(事務局)