NPO法人 アジア情報フォーラム

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日台稲門会での講演(6月1日) テーマ「日中台関係の今後」

会員 岩永康久

日中台関係の今後②今回の「アジア情報フォーラム」池田理事長の講演は、日台稲門会第17回定期総会の記念講演として行われ、フォーラム会員である岩永が同稲門会会長でもあることからお願いしたものである。

「日台稲門会」とは早稲田大学の卒業生・在学生で台湾にゆかりのある者の集まりだが、他大学にはかかる組織が無い事もあり、他大學の卒業生で台湾駐在経験者、日台学生会議等に所属する日本・台湾双方の大学生も会員・会友として参加している。台湾が好き或いは台湾に興味がある人が集まり、日台の相互理解・友好に寄与していく事を目的に草の根ベースで活動している。会員は年々増加しており、現在100名を超すまでになっている。

講演は尖閣問題から中台関係・日台関係という現下の非常にホットな問題に関し歴史的分析から始め、今後の関係各国のあり方まで深部にわたった、とくに尖閣領有を巡って一部に指摘されている日中間の「棚上げ論」について、過去の両国首脳会談でもそんな合意は一切ないとし、日本の領有権は日清戦争終結以前からの再三の現地調査による「先占の法理」に基づく国際法的にも認められたものであることが明確にされた。さらに、中国も台湾(中華民国)もともに76年間(1895-1971年)に渡り、日本の有効支配に異議を申し立てたことは無かったと説明された。

台湾は尖閣問題で中国との「連繋」を拒否していることも指摘された。台湾の馬政権の対中政策は「不統、不独、不武」を基本としており、その関係は今後も波乱含みであるが、現状維持志向が強い。本年4月の日台漁業取極めは日台関係および尖閣諸島の地位に関連する画期的進展であると評価された。

会場の大隈記念タワー地下多目的ホールが満席となる約100名が参加、台北駐日経済文化代表処(台湾の駐日大使館に相当)から羅坤燦副代表、林世英組長・早稲田大学台湾校友会陳光敏会長始め会員・会友はもとより日台の現役学生も多数参加した。講演終了後の質疑応答では時間を延長して、日本人・台湾人の方々が、今後の日中・日台の関係に関し熱い質問が発せられた。

講演後「日台交流の集い」が行われた。池田氏が挨拶で、台湾で最高峰の玉山に登った経験を話されると、羅坤燦副代表は日本で一番高い富士山に登った話を披露された。乾杯の音頭をとった陳光敏会長は、毎年日本に来て日台稲門会総会に参加するのは、古い友人に会うことと台湾からの留学生に会うためで、楽しみにしていると述べられた。交流の集いには会員・会友のみならず、早稲田大学台湾留学生会、早大における小生の台湾講座ゼミ生、日台学生会議に所属する他大學学生も多数参加し、盛会であった。参加者は一様に「学ぶ事が多かった」と大いに満足していた。

日中台関係の今後①

2013年6月14日 up date

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