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賛助会員 春海 二郎
(筆者は長年、在日イギリス大使館に勤務し、イギリス関係情報を独自に発信するサイト「むささびジャーナル」の運営をしている)
The Economistが毎年発表するBig Mac Index(BMI:ビッグマック指数)については、むささびジャーナルでも何度か紹介したことがあります。世界中にある、あのマクドナルドで売っているビッグマックの値段の国際比較です。最近(2014年1月23日)のBMIは次のようになっています。
あなたがアメリカへ旅行してマクドナルドに入り、ビッグマックを注文すると4.62ドルとられる。1月23日現在の円ドル交換レートは1ドル=104円だったから、ビッグマック一つが480円強ということになる。でも日本で買うと310円。かなり違う。いちばん高いノルウェーへ行く人は気を付けた方がいい。ビッグマック一つだけで7.80ドル(813円)もとられます。そのかわりインドだと160円ですむ。
ここをクリックすると56カ国すべての値段が分かるのですが、日本は56カ国中の42位だからビッグマックの値段に関する限りかなり安い部類に入る。ちょっと興味深いのはビッグマックの値段と国民一人当たりの総生産(GDP per person)の相関関係ですね。ノルウェーの国民一人当たりの総生産は97,607ドルで、最も高い。スイスは83,073ドルで3番目です。南米のベネズエラとブラジルの一人当たりの総生産は、13,000ドル台なのになぜかビッグマックの値段はやたらと高いのがミステリーです。
いずれにせよ国民一人当たりの総生産が上位に入る国ほどマックの値段は高くなっているのですが、日本(45,870ドル)と似たような数字であるフランス(44,007ドル)におけるビッグマックの値段(5.15ドル)は相当に高いですね。英国(38,811ドル)では4.63ドルだからアメリカとほとんど同じ。要するに日本におけるビッグマックの値段は、いわゆる「先進国」の中では異常に安いということになる。
このあたりのことについて、龍谷大学の竹中正治教授は「ファストフード業界の競争が日本では厳しいことを意味するのだろうか?」としたうえで
アメリカとの比較で言うと、確かにカジュアルなランチ類の価格は日本の方がずっと安くて質が高いと経験的に思う。安くて美味しい国、日本ですな・・・(^_^;)
と言っています。