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国際問題コラム「世界の鼓動」

石油大国ベネズエラーー故チャベス大統領鎮魂歌 

確かにベネズエラは資源に恵まれている。もともとは農業国であったが、20世紀に入ってから豊富な石油資源が発見され、第2次世界大戦前は世界最大の石油輸出国であった。戦後は中東に首位の座を譲ったが、それでも日産200万バレルから300万バレルの生産がある中南米最大の産油国である。特に、近年いわゆるオリノコ川北岸に産出される超重質油が技術的、経済的に採掘可能になり、確認埋蔵量が3000億バレル近くになっており、今やサウジアラビアを抜いて世界最大の石油埋蔵量となった。可採年数300年というまさに石油大国である。

石油資源だけではなく、天然ガスの確認埋蔵量も192.5兆立方フィートで世界第8位とされている。他の鉱物資源も鉄鉱石、ボーキサイト、金をはじめ、それこそなんでもありという状況である。日本からも、豊富な電力を利用したアルミ産業が進出しており、世界有数の良質な鉄鉱石を利用した還元鉄生産工場が進出している(もっとも私の在任時には社会主義国として重要産業の国有化が進められ、この日本との合弁事業の撤退問題が大きな仕事になった)。加えてベネズエラの東部には広大な、全くの手つかずの広大な土地があるとなれば、資源に乏しい我々日本人だけでなく、だれから見ても、神様は本当に不公平だと言いたくなる国である。

このように恵まれた国であるので、中南米諸国の中では豊かな国であることは間違いない。一人当たり国民所得も1万ドルを優に超えており、首都カラカスに林立する高層ビル、世界遺産として登録されている大学都市をはじめとする建造物、整備された高速道路網などを見ると、一見すると先進国と言われてもおかしくない状況である。ただよく見ると、こうした「先進国」風は、少し古びてきており、1970年代までの石油ブームの遺産が多く、ベネズエラの発展が近年少し停滞気味になりつつあることが分かる。特に、経済発展が著しい中南米諸国にあって、その停滞ぶりは目立つ感じがする。ということで、在任中、日本との経済関係を強化することで、この国をもっと発展させることができるのではないかと一度ならず思ったものである。

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2013年9月7日 up date

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