NPO法人 アジア情報フォーラム

お仕事のご依頼・お問い合わせ

講演依頼、コラム執筆、国際交流企画など、ご相談は無料です

国際問題コラム「世界の鼓動」

石油大国ベネズエラーー故チャベス大統領鎮魂歌 

会員 下荒地 修二

1970年に外務省に入り、41年余勤務して一昨年退官した。外務省入省時、中国語の研修を命じられたこともあり、在外任地としては中国、台湾、韓国と近隣のアジアが中心となったのであるが、最終段階でパナマ、ベネズエラの在勤となったことには、自分でも驚いた。他方、それまで全く土地勘のない地域で最後の仕事ができたことは、チャレンジングであり、得難い経験となった。しかも、両地の在勤がそれぞれ3年半をこえ、7年以上どっぷりとラテンの生活にひたることができたのは、今となっては幸運だったと思っている。

日本ではあまり新聞記事にもならない中南米のことであるが、ベネズエラについては今年に入り長らくその任にあったチャベス大統領が亡くなり、珍しく関連記事が掲載されることがあるので、最後の任地として記憶が生々しい間に少し思い出を書き残しておこうと思った次第である。

さて、このベネズエラであるが、石油の国というイメージがまず思い浮かぶ。実際はこの国にはないものはないくらいに資源に恵まれた国であることを、赴任して初めて知ることとなった。ベネズエラ人も自分の国を恵まれた国と自認している。

よく聞かされた冗談に、ある時神様の前で、各国人が自分の国の説明をした。ベネズエラには、豊かな土地があり(日本の2.5倍の国土である)、その上に石油資源に恵まれ、他の鉱物資源もなんでもある国であると話したところ、他の人が「ベネズエラ人だけがいい目にあって不公平だ」と言ったという。そこから先はいろんな説があり、それほどベネズエラが恵まれた国だという話で終わるかと思えば、神様が「いやいや不公平ではない、あそこにはベネズエラ人を置いておいた」というオチにする話もある。いずれにしても、それほど恵まれた国であるのに、それをまだ十分に活用していないという話である。

1 2 3 4 5 6
2013年9月7日 up date

賛助会員受付中!

当NPOでは、運営をサポートしてくださる賛助会員様を募集しております。

詳しくはこちら
このページの一番上へ