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世界文化遺産地域連携会議に参加して

賛助会員  緒方 修

8月下旬、東京で開催された「世界文化遺産」地域連携会議の総会に、当NPO賛助会員として出席した。

この会は松浦晃一郎前ユネスコ事務局長を顧問、門川大作京都市長を会長とし、世界遺産を有する市町村町やマスメディア、研究者などで構成されている。今回は約50人が参加し、世界遺産登録直後の富士山を抱える富士吉田市長、富士宮市長も晴れやかな顔でパネリストを務めていた。平成23年6月に発足したこの会議は、昨年から国への提案活動を開始し、ユネスコ世界遺産条約採択40周年の京都会議実行委員会への参画、地域・官民協働事業を実施してきた。

その中には私が理事長を務めるNPOアジアクラブが一部を受託した「沖縄における観光振興に向けた世界遺産活用戦略検討調査」への協力も含まれている。今回は「世界遺産特別法」の設立へ向けて衆議院議員会館、自民党本部、観光庁、文化庁への要請も行った。

一方、超党派の「世界遺産議員連盟」との連携も今後の活動方針に盛り込まれた。「連盟」では沖縄選出議員として糸数慶子氏が琉球王国、西銘恒三郎氏が斎場御嶽、國場幸之助氏が首里城他の担当となっている。

「地域連携会議」が打ち出した国への提案活動の中味は①世界文化遺産を守り継承するための予算の充実、②農山漁村の世界文化遺産に対するきめ細かな支援体制、③世界文化遺産を活用した外国人観光客の誘致、④世界文化遺産周辺整備などを含めた各省庁の連携体制づくり、⑤上記を包括的に推進する「世界遺産特別法」の制定、である。

世界遺産に登録されて良いことばかりではない。例えば富士山山麓には現在メガソーラー(太陽光発電)のパネルが出来つつある。これはエネルギー問題解決には役立つが、景観を害することは間違いない。京都市は屋上のパネルや広告を制限しつつある。職員100人体制で臨んでいるそうだ。文化的景観を守ることが、最終的には内外の観光客の獲得には有利と判断しているのだろう。

ひるがえって沖縄のことを考えると喫緊の問題を抱えている。今年、奄美・琉球の自然が世界自然遺産候補の暫定リストに載った。慶良間諸島が国立公園へと「昇格」するのも世界遺産登録を見据えてのことだ。もし琉球の自然が世界遺産となれば、沖縄県は文化遺産と自然遺産の両方を持つ日本で唯一の県となる。果たして体制は整いつつあるのだろうか。何よりも地元の盛り上がりが少ないのが気になる。

NPO法人アジアクラブでは自然遺産候補の奄美市、名桜大、沖縄大、石垣市の4カ所で世界遺産検定を9月1日(日)に実施した。これに先だって各地での事前講習も行った。まだ合わせて50人弱の受講者しかいないが、こうした活動を通じて奄美・琉球の文化・世界両遺産について皆様の認識を深めて頂きたい。観光ガイド希望の方、あるいは環境保全に関心のある方にはお薦めの検定だ。アジアクラブでは引き続き「沖縄の歴史と世界遺産」の5回シリーズを無料で開催する。詳しくはNPO法人アジアクラブのホームページをご覧になるか、098-987―7007(アジアクラブ)までお問い合わせください。

2013年10月2日 up date

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