NPO法人 アジア情報フォーラム

お仕事のご依頼・お問い合わせ

講演依頼、コラム執筆、国際交流企画など、ご相談は無料です

国際問題コラム「世界の鼓動」

働く女性に優しい国:日韓びり争い

賛助会員 春海 二郎

(筆者は長年、在日イギリス大使館に勤務し、イギリス関係情報を独自に発信するサイト「むささびジャーナル」の運営をしている)

3月8日は国際婦人デー(International Women’s Day)であったのですが、その3日前の3月5日付のThe Economistのサイトが

働く女性にとってどの国がベストか?
Where is the best place in the world to be a working woman?

という記事を掲載しています。The Economistがさまざまな国際機関が行った調査結果などを収集、28か国を取り上げて、それぞれの国において働く女性たちが受けている待遇を調べて指数にしたものです。「国会議員に占める女性の割合」「有給育児休暇の長さ」「管理職に占める女性の割合」など9項目について採点しているのですが、28か国中、欧米が25か国で、それ以外では日本・韓国・トルコが入っているだけです。

トップはフィンランドで100点満点で80点、続いてノルウェーとスウェーデンが79.4点とトップ3を北欧勢が占めている。大体この種の国際比較というと北欧が上位に来る。デンマークも第7位にきている。英国は下から7番目で54.2ポイント。最下位を争っているのが、トルコ(29.6)、日本(27.6)、韓国(25.6)となっている。ここをクリックすると28か国のランクを見ることができるのですが、この際、総合点トップのフィンランド、23位の英国、そして27位の日本、28位の韓国の具体的な数字を比べてみます。

国会議員の数(全体に占める女性議員の割合)でいうと、フィンランドの42.5%はスウェーデン(43.6%)に次いで第2位です。日本の9.5%というのは栄えある(?)最下位です。韓国は16.3%なのですが、28か国の中で割合が一桁なのは日本だけであります。日本に最も近い数字のハンガリーでさえも国会議員の10.1%が女性です。

 

企業の管理職(senior managers)に占める女性の割合は、日韓ともにヨーロッパに比べるとぐっと低い。グラフでは高く見える英国ですが全体的に見ると第9位、最も高いのはアメリカ(42.7%)だった。ただ企業の取締役レベルにおける女性の割合となるとOECD平均で16.7%だから、これは「男の世界」ということになる。取締役レベルとなると、日本は3.3%、韓国は2.2%だからほとんどいないのと同じであります。

 

育児のための有給休暇ですが、日本の9.3週というのはデンマークと同じなのですね。一番長いのはポーランドの22週だった。(認識不足の?)むささびにとってちょっと意外なのはアメリカで、この種の有給休暇はゼロなのですね。

2016年3月20日 up date

賛助会員受付中!

当NPOでは、運営をサポートしてくださる賛助会員様を募集しております。

詳しくはこちら
このページの一番上へ