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賛助会員 小川 忠
(筆者は国際交流基金のジャカルタ事務所長として独自に情報発信をしている)
長い人生を生きていると、忘れた方がよいこともある。忘れることによって踏み出せる一歩もあるだろう。しかし、忘れてはいけないことは、あらゆる努力を惜しまず記憶していかなければならない。
東日本大震災から四年。忘れてはいけないことを忘れ始めている。そろそろそういう時期に入りつつあるのではないか。未曽有の震災から学んだことを忘れないために、文化交流は何ができるのだろうか。4年前のあの日を振り返りながら、今年の3月11日をむかえた。
災害体験から教訓を学び取り未来の世代に語り継いでいくことが、防災の時間的タテ軸とするならば、その経験を国、社会を越えて広く世界と共有していくことは、防災の空間的ヨコ軸といえよう。
災害多発国インドネシアにあって、日本がこの国の人びとと共に学びあい、記憶していくべきことは少なくないはずだ。そのような問題意識に立って、防災・復興に関する社会的記憶の時間軸と空間軸が交差した交流事業を紹介する。