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近隣諸国との関係ですが、アジア・太平洋地域の国が日本をどう見ているかについては”Japan Generally Seen Favourably”(日本は全体としては好意的に見られている)として下記のような結果になっています。Favorableは「好意的」、Unfavorableは「不愉快だ」という意味です。
調査対象の7か国のうちマレーシア、パキスタンなどの5か国ではFavorableな見方がかなりの部分を占めるのですが、韓国・中国では極端に異なる印象を持たれています。ただPew Researchは中国や韓国における厳しい意見は従来よりも悪化した結果としての数字であることに注目しています。韓国の場合、5年前の2008年の調査では好意的な意見が現在(22%)よりも25%高かったし、中国の場合は7年前の2006年にはいまよりも17ポイント高かったのだそうです。特に韓国においては、年代によって意見が違い、50才以上では82%が否定的なのですが、30才以下では否定論が66%にまで下がるのだそうです。
最後に第二次大戦における日本軍の振る舞いに関する日本の謝罪についての意見を紹介します。質問は
Has Japan sufficienty apologised for its military actions during the 1930s and 1940s?
1930年代・40年代の軍事行動について日本は十分に謝罪したか?
というもので、答えは”No” “Yes” “No apology necessary”(謝罪の必要なし)、”DK”(分からない)の4つ。結果は次のとおりです。
韓国・中国で「日本は充分な謝罪をしていない」という意見が圧倒的であることは、予想どおりの結果であるわけですが、中国人の中に「日本人は謝罪した」と考える人が4%、「分からない」が16%もいるのですね。それからオーストラリア人の間で「謝罪の必要なし」が日本人よりも多いというのも意外な気がする。それから中国・韓国以外の国でも「日本は充分な謝罪をしていない」という意見の方が多いということも分かっておくべき数字だと思います。
Pew Researchの記事は次のような文章で結ばれています。
The Japanese public appears to be painfully aware of its image problem abroad. Six-in-ten Japanese think their country should be more respected around the world than it is.
日本人は、外国における日本についてのイメージに問題があるということを痛切に意識しているようだ。10人中6人の日本人が日本は世界的にもっと尊敬されてもいいはずだと思っている。