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賛助会員 春海 二郎
(筆者は長年、在日イギリス大使館に勤務し、
これまでにも何度か紹介したアメリカの社会問題調査機関、Pew Researchが7月11日、日本に関する世論調査結果を発表しています。日本人の自国の現状に対する見方とアジア・太平洋諸国の対日感覚の両方を調査したもので、次の2点が目立っていると伝えています。
非常に多くの調査が行われているので、全部を紹介するのはムリ。それはここをクリックして見てもらうことにして、むささびジャーナルとしては、調査結果の中からいくつかピックアップして紹介させてもらいます。
Pew Researchは2002年以来、日本に関する調査を行ってきているのですが、今回の調査では日本人がかつてに比較すると自国について肯定的であることが目立ちます。例えば:
日本の進路に満足している Satisfied with direction of country |
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2002 | 2012 | 2013 |
12% | 20% | 33% |
景気がいい Economy is good |
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2002 | 2012 | 2013 |
6% | 7% | 27% |
向こう1年間で景気が上向く Economy will improve in next 12 months |
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2002 | 2012 | 2013 |
11% | 16% | 40% |
2013年の数字を独立して捉えると、「進路に満足」は33%にすぎないし、現在の景気がいいと思っている人は3割にも満たない。これからよくなると思っている人だって5割以下であるという意味では、日本人が幸せいっぱいで沸き返っているという状態ではないのですが、それまでの傾向と比較すると「劇的に上向き」(dramatic improvement)ということになり、韓国・英国・フランスにおける数字を上回るのだそうです。2013年現在、「景気がいい」と感じている人の割合は英国が15%、フランスは9%、韓国が20%です。
ただ日本人で目立つのは次世代に対する悲観論です。すなわち
子供たちの時代に方が親世代の時代よりも事態は良くなっていると思う日本人ははわずか15%にすぎない。
Only 15% believe that today’s children will be better off than their parents.
ということで、将来世代についての悲観論が日本よりも強いのは、先進国ではフランスだけなのだそうです。