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国際問題コラム「世界の鼓動」

案外ややこしい、イヌの「年齢」

 賛助会員 春海 二郎

(筆者は長年、在日イギリス大使館に勤務し、イギリス関係情報を独自に発信するサイト「むささびジャーナル」の運営をしている)

イヌの年齢イヌの年齢は人間の7倍というのが定説なのだそうですね。1才のイヌは人間でいうと7才ということです。尤も5月10日付のBBCのサイトに出ていた記事によると、ワンちゃんの歳を人間のそれに換算するのは何でもかんでも7を掛ければいいというものではないらしい。

数ある哺乳類の中でもイヌほどいろいろな種類がいる哺乳類はないのだそうですね。体重は3kgから90kgまでさまざまだし、身体の形状や毛髪のタイプだって実にいろいろですよね。哺乳類に関する一般論として言えるのは、身体の大きさに比例して寿命も長いということだそうです。ゴリラ、象、クジラのような大型哺乳類はネズミなどに比べると寿命が長い(ゴリラは40~50年、ハツカネズミは長くて2年)。ただイヌの場合は反対で、一般的に言って小型犬の方が大型よりも長生きするのだそうです。

米ジョージア大学のダニエル・プロミズロー(Daniel Promislow)という先生によると、イヌも人間と似ていて年を取るとガンになる確率が高いのですが、ガンによる死亡率は大型犬がおよそ50%なのに小型犬は10%と低いのだそうであります。小型犬は大型犬よりも早く身体の機能(生殖機能や骨格)が「成人」(adulthood)になるのにガンの発症率は低く、ひとたび成人にまで達すると長く生きる傾向にある。つまり大型犬に比べると成人としての生活が長い。大型犬は成人に達するまでに時間がかかるけれど、そこからは比較的短い命なのであります。

例えば大型犬のブルドッグの場合、成人になるまでに2年もかかるのに、成人として生きる期間はわずか4~5年。ボーダーテリヤという種類の小型犬は1年もすれば成人になり、そこから14~15年も生きる。このようなことはイヌ以外の動物では絶対に起こらない。同じ種族の中でイヌほどさまざまな大きさのものが存在する動物はいない。人間がさまざまなサイズのイヌを作り出したことで寿命の違いまで作り出してしまったのではないか、とジョージア大学のケイト・クリービー(Kate Creevy)助教授は推測しています。

生まれて2年目のイヌの年齢を人間のそれに当てはめると、小型犬は25才、中型犬は21才、大型犬の場合は18才となる。生まれてから3年以後の年齢となると種類によって違うけれど、いくつかの犬種の年齢を人間の年齢1才あたりに換算したものを挙げると次のようになる。

小型犬: ミニチュア・ダックスフンド(4.32才)、チワワ(4.87才)、
ビーグル(5.20才)
中型犬: ラブラドール・リトリーバ(5.74才)、ゴールデン・リトリーバ(5.74才)、ブルドッグ(13.42才)
大型犬: ジャーマン・シェパード(7.84才)、ボクサー(8.90才)


つまり「中型犬」のラブラドール・リトリーバを飼っていたとすると、生れて2年目にして早くも人間でいうと21才となり、以後は1年につき(人間でいうと)5.74才年を取ることになる。ということは、生まれてから10年目のラブラドールの年齢は21+45.92(5.74X8)=66.92才ということになる。

2013年5月20日 up date

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